Captain Dhalmel Sing a Song
円舞曲、四分の三拍子。
最初の一拍は特に強く息送り出す。
その一吹きが、戦いの行方を左右することもある。
手に心地よい滑らかな革巻きの楽器は
ウィンダスの一流骨細工士が丹精こらして削り出したコルネット。
拙い私の演奏にも驚くほどの澄んだ音で応えてくれる。
吟遊詩人はその演奏で戦う者の気持ちを鼓舞する。
単純に解釈すればそうなる。
だが、一度でも冒険者として吟遊詩人と行動を共にすれば、
その言葉には違和感を覚えるだろう。
彼らの紡ぎだす旋律は、時に炎となって
身体の底から力をわき上がらせ、
時に風となって心を晴れ渡らせる。
黒魔道士が頭の中に描いた図形で
この世のありとあらゆる現象を発生させるように、
白魔道士が澄んだ精神で神の奇跡を再現するように、
吟遊詩人の生み出す楽曲は、確実な力となって
生き物に影響を及ぼすのだ。
聞けば聞くほど不思議だった。
だが、今は奏でれば奏でるほど不思議だ。
自分の手から、息から生まれる旋律にこもった力は、
いったいどこから来るものなのか。
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